「…だれ?」
お母さんかな、と扉を開けに行こうとした瞬間開いたドア。そこに立っていたのは、今帰ってきたのかまだ制服姿の真の姿で。
「真、おかえり」
「あぁ、ただいま。それより体調どう?」
「体調?あぁ、倒れたこと?別に体調悪くて倒れたんじゃないから平気」
ドアのところで突っ立っているのもなんだし、廊下は暑かった。私が部屋の中に足を入れると、それに続いて真も入ってきた。
「そう、ならよかったけど。お前、明日空いてる?」
「え?明日?」
「そう、明日」
明日といえば文化祭の振り替え休日で別にバイトもしていない私は一日かけて暇、だけどー…
「うん。空いてるよ。なんで?」
私がそう言うと真はぎゅっと手を掴んできて。
「んじゃ、俺とデートしよ」
「…デート?」
「そ。デート」

