『じゃあねー』

お化け役や、表面をやった人は帰って良しとなり私は帰る人たちに紛れて教室を出た。


『ただいま』

家路を歩き、玄関を鍵を開けて家に入るとそこにはお母さんとお父さんの笑い声だけが玄関まで響き渡っていて。

『あれ、…真は?』

『真なら栞ちゃんとデートだってさっき電話来たわよ』

『あぁ…そうなんだ』

まだ少し、チクッと痛む胸。
…それもそうだ。

前に進むといってもまだどうしたらいいかなんてわからないし。駿に好きだと言ってもらってもこの気持ちがすぐに消えるわけがない。

私はお母さんにご飯はいいや、と言い残し部屋に戻り制服を脱いでベッドに腰をかけた。

『どうしたら、いいのかな…』

目を閉じ、布団に静かに横になる。


あの時の駿の顔、私ははじめて、見る顔だった。