ウケる、と言いながら私の頭をポンポン叩いてくる真と可愛いなぁ、と言いながらいつもの笑顔で私を見る栞さん。
他の誰しもがこれで驚いたのに。
これを聞いてきゃーって叫んでいったのに。
なんで、なんで。
「早く、行ってよ…」
見たくないの。二人の腕を組んだ姿なんて。
見たくないの、栞さんに甘い、優しい顔をしている真の姿なんて。
ここが、お化け屋敷でよかったって初めて思ったかもしれない。
だって暗くてなにも見えないから。
見たくないものを、見なくてすむから。
なのに、頭の中に浮かんでくるのは見たくない、姿で。
「…あとが詰まるので早く行ってください」
もう、この二人の前で貞子なんてどうでもいい。
早く、早くいなくなって。この場から。
私の前に、現れてほしくない。いてほしくない。
私は早く、と二人の背中を押し続けた。

