その日は、本当に最悪だった。


「おい、椎名。お前なに二年になってそうそう寝てるんだ」

バシッといい音がしてクラスのみんなが振り向く。

「痛いです、先生」

「なら寝るな」

「…別に」

目立ちたくないのに。

友達、いないから。

というか別に寝ているわけじゃないのに。

いつもなら、大体、いったーい!と声をあげていた私でも今日はそんな元気がなくて。

寝ているわけじゃないしただ伏せているだけだし。


そう思っていても、言い返す気力すらなくて。


それもこれも全部、朝のあの出来事のせいだ。