「あ、ねえ買ってきたよ!」
呆然としている私の前に現れたのは、黒くて長いウィッグを持った実行委員で。
「あー!買ったの?さすが実行委員!」
「やっぱりメインどこは貞子だもんね!」
みんながそう盛り上がっているから、何も言えなくて。
私はただ、それに従うしか方法はなかった。
「お前このあと、あれ着るんだろ?」
朝の盛り上がりは、一気に冷めてみんなそれぞれの作業に取り掛かっていた。
そして駿も自分の作業である段ボールを黒く塗る作業を、きちんと行っていた。
「うるさいな…実行委員が着ろって」
「ははっいやぁまじ面白いわ」
「ただの真っ白な布にあんなに食いついていたの駿だけだから」
これといって別に目立つような服ではないし、周りから見たらただの白いワンピース。それをみて駿はずっと、笑っていて。
「いや俺が笑ってたのお前に似合いそうだったからだから」
「は?なにそれ、想像して笑ったってこと?」
「そうそう、いやぁ楽しみだわ」
「もー…最悪だよ」

