「んじゃ、いってきまーす」 お母さんが作ってくれた朝ご飯を食べて一緒に玄関を出る。 外に出るとそこには駿の姿がもうあって。 「よく寝坊しなかったじゃん」 「しないよ!」 「最初はしてたのにな」 「もうっ」 朝から普段通りの会話をして学校までの道を三人で歩く。 いつもと同じ、いつも通り。 二人を見るとなにも変わらない光景で。 だけど違うのは私の中にあるこの気持ちで。 …真の方を見れない。 私はずっと駿の方ばかりを向いていた。