「ね、ねえ駿!だれあれ!」
「…駿?」
私の声に反応し、囲まれていたイケメンがばっと立ち上がって私たちのところまで駆けてくる。
えっえっとあたふたしているうちにも、その人はもう近づいてきていて。
「駿!久しぶりだなぁ」
そういって気づいたときには私の後ろにいた駿の首に腕を回し、抱き着いていた。
「…駿、知り合い?」
「え。あー…こいつ…」
「駿、てことは、心、か。」
なぜか戸惑っている駿にたいし、やっと体を離したその人は私の顔を見てにっこりと微笑む。
「なんで私の名前、知ってるの?」
こんなイケメン、私見たことないし。
むしろ駿の友達ならほとんどの人知っているけど…今まで一緒にいた中で見たことがない。
「あなたは…だれ?」
恐る恐る、その人の目を見た瞬間ぱっと世界が変わる。そんな風が吹いた気がして。

