「あ、碧斗さん…?」 気が付くと、東京の夜景が煌めく、全面硝子張りの窓に、結衣を追い詰めていた。 そして、結衣の細い両手首を掴む。 「!?」 「ほら、俺を意識してる。」 俺は、後少しでキス出来そうな距離に顔を屈めて、意地悪く微笑んでみせた。 「こ、こんなことされたら、誰だって意識しちゃいますっ!」 やっと俺の事を見たと思ったら、くりっとした大きな瞳に涙を溜めて、キッと睨み付けていた。 俺はその表情に満足し、掴んでいた手首を解放して、ダークブラウンのレザーソファにドサッと腰掛けた。