「桜宮高校?前回の模試、雪村高校も合格圏内だったじゃない。寝言は寝て言ってよ」
桜宮高校を受けるって言ったらこの反応だ。
「でも……」
「もったいないことしてるの、わかってる?雪村高校に行きたくても行けない人はたくさんいるのよ?」
先生と全く同じことを言うお母さん。
「わかってるよ」
「どうして桜宮高校なの?」
もっと怒鳴られるかと思ったけど、そうでもなさそう。
「バスケが強いから……」
「バスケって…光葵はマネジャーだったじゃない。女子バスケにでも入るの?」
……〝光陽のため〟なんて言ったらどうなるだろ。
「入らないけど……」
「じゃあ何で?……あ。もしかして光陽くんのため?」
図星だ。
「そうなんでしょ」
まるで同級生と喋ってるかのように茶化すお母さん。
「そうだよっ」
恥ずかしくて早口に言う。
「へぇ……。やるわねぇ、光葵も。別に桜宮でもいいんじゃない?」



