「これは平方根の計算だから…」

「あっ、そっか」

8月下旬。

夏休みもあと少しだ。

今は奈乃ちゃんの家にて勉強会。

奈乃ちゃんが私を助けてくれたおかげで、いじめは怖くなくなった。

私は今、光陽に悩まされてる。

……光陽は毎日私に【話を聞いてほしい】ってメールを送ってくる。

いくら【しつこい】と返信しても無駄。

光陽の顔なんて見たくない。

私は光陽だけは許すことができないだろう。

〝守るから〟

そう言ってくれたはずなのに。

信用してたぶん裏切られたと感じる量は多い。

「ねー、光葵ちゃん。あと3日で登校日だけど怖くないの?」

8月最終日に登校日という名の実力テストがあるから、夏休みはあと少ししかない。

9月1日が始業式なんだけどね。

「……まぁ…。でも奈乃ちゃんが仲良くしてくれるから、乗り越えれそうかな」

「そっか。ならよかった」

7月の終業式の日、あれ以降心春と真央ちゃんは私に手を出してこなかった。

それは奈乃ちゃんが近くにいてくれたから。