─北海道
自由行動が始まった。
「木原。プラン考えてきたんだろーねぇ?」
「考えてきてない………」
新学期当初ののぞみちゃんからは考えられない弱々しい口調。
いじめは、こんなにも人を変えてしまう……。
「はぁ?考えてきてない??」
人通りのある道だというのにも関わらず、真央ちゃんはのぞみちゃんのお腹を蹴った。
道行く人の視線が集まったのがわかった。
「あー!!ごめん!!!蹴るつもりじゃなかったの!!冗談で蹴る真似しようと思ったら!!のぞみ、大丈夫!?ごめんね!!!」
真央ちゃんの女優顔負けの演技に、人々は騙されて素通りしていく。
「……っっ」
のぞみちゃんは、お腹を押さえたまましゃがみこむ。
「立てよ、早く」
「そうだよ。まるで私たちがいじめてるみたいじゃん」
─いじめてるくせに。
そう思っても反論できない。
「立たないならもう一発しちゃうけど、いいのかな?」
のぞみちゃんは、それだけはやめてという表情で立ち上がった。
「あ。光葵。木原っちのこと庇ったら承知しないよ?」



