部活は始まって欲しくなくても、時間は過ぎていく。

部活を嫌だと思い始めてから何度目の部活になるのかな。

昨日は心春の本性を知ってしまった日だった。

今日から本格的な麗美いじめが始まるんだろうか。

嫌だなぁ。

「光葵ー!?部活はー?何やってんの!」

行きたくなくて、ベッドの上で寝たふりをする。

─ガチャ

お母さんが部屋に入ってくる。

「光葵?部活午前中でしょう?遅刻するわよ!」

「……うん」

「早く起きなさいよ」

「わかったよ」

ゆっくり起き上がる。

ホントに嫌だなぁ……。

「朝ごはんは?いるの?」

「………食べる」

食欲ないけど、食べて時間稼ぎしよう。

部活に行きたくない。

「食パンでいい?」

「うん」

お母さんが準備のために部屋を出ていった。

「はぁ……」

あと10分で部活が始まる。

今日も部員は来ないのかな。

顧問も顧問だよ。

昨日あんなことがあったのに気づかないなんて。

まず体育館に来なかったんだから。

……着替えよう。

体操服に着替えて髪の毛を結ぶ。

そしてゆっくりリビングに向かって解団を降りていく。