光 ~光る太陽、光る向日葵~Ⅰ

「……心春の話を聞いてると、麗美以外に犯人がいそうにもねぇから。どーせ麗美だろ」

「光陽先輩……、信じてください……私じゃないです…」

目に涙を浮かべて訴える麗美。

「何ぶりっ子してんの?涙出しちゃって。泣いとけば男が優しくしてくれるとでも思ってるわけ?」

心春がバッサリ言い捨てる。

……ついこの間まではあんなに仲良さそうだったのになぁ。

「最低……っ」

麗美が心春を睨む。

「〝最低〟?光陽が大事にしてるボールを裂く方が最低だと思うけど」

「だから、私じゃない……」

心春はここぞとばかりに麗美を責める。

ついには本当に麗美が泣き出してしまった。

「心春……、言い過ぎだよ……」

光陽は裂けたボールをゴミ箱に捨てに行く。

部員は麗美と心春のやり取りを何とも言えない視線で見つめてる。

「そんなことないでしょ。麗美が勝手に泣いただけ」

明らかに怒ってる表情の光陽が戻ってきた。

「何泣いてんの?めんどくせぇな」

!!

光陽が人にそんな冷たい言葉をかけるなんて。

「……つーか、ボールごときでこんな騒がなくてもよくね?」

誰かが呟いた。

「それな」

誰かが便乗した。

「何─」

〝何言ってんの〟

そう反論しようとした。

けど、その言葉は光陽によって遮られた。

「そう思うなら帰れ─。そういうヤツはいらねぇんだよ」

氷より何倍も冷たい声で言う光陽。

その表情は、〝無〟。

だけど、目にだけは怒りがこもってる。

「は?何だよ、偉そうに」

「偉そうにして悪いかよ?少なくとも、準備も片付けもできねぇてめぇらよりは偉いんですけど?」

「は?マジうぜぇ」