「何?ってかナイスタイミング。ありがと」

光陽の席の近くに座る。

「いや、用はねぇけど……」

「私が困ってるのわかって呼んでくれたんだぁ。ありがとぉ」

語尾にハートでもつけるのかなという勢いで言ってみた。

「あのー。俺を幽霊的存在にしてラブラブっぷりアピールしないでくださーい」

近くにいたのは佐藤明(サトウアキラ)、陸上部。

「ラブラブっぷりってどこがだよっ」

「ラブラブそのものだ!てか、普通にお前ら噂されてるけどな?〝付き合ってる〟って」

!!!

「「付き合ってないから!」」

……実際に噂通りになれたらいいのに。

まぁ…光陽は彼女作らないって、恋愛しないって、言ってたから…叶わない願いなんだけどね……。