初めてふたりで出かけた翌日の日曜日。


朝から部活だったけど、俺は気分があがりっぱなしで。


葵の新しいメガネ姿を、誰よりも最初に見たのは俺だし。



「おはよ、洋介」


「サクく~ん、顔ゆるみまくりですけど~」


「なんだよ気持ちわりーな、そんなことねーし」


「泉川とふたりで出かけて、楽しかったんだろ、な?」


「まあ、な」


「認めるってことは、これマジだわ」


「うっせー」


軽く蹴りをいれといた。



練習終わり、対外試合のメンバー発表があり、俺も洋介も選ばれた。


あぶねー、選ばれなかったらヤバかった。



「サク、今日帰りにラーメン行こうぜ」


「オッケー」


そこへ、カオリが混ざってきた。


「はいこれ、夏休みのスケジュールね」


「サンキュ」


「ラーメン食べに行くって?」


「相変わらず地獄耳だな、カオリは」


「失礼ね、聞こえちゃっただけです」


「サクの声だけは聞こえるんじゃねーの?」


「そんなんじゃない、バカ洋介!」


「まあまあ、カオリもラーメン食う?」


「太るからやめとくけど、一緒に帰ろ」


「じゃあ、着替えてくっから」


部室に入って、前から気になってたことを洋介に聞いてみた。


「洋介ってさ、カオリにやけにからむよな」


「あー、カオリってわかりやすいから、ついからかいたくなるんだよな」


「わかりやすいって、何が?」


「ん、カオリの考えてることとかさ、あいつ単純じゃん」


「たしかに」