家の近くにあるラーメン屋さん。夜遅い時間でも結構人はいて、諒は眼鏡を掛けてプチ変装をした。


ここは塩ラーメンのお店で、とても美味しくてリーナズブルなお値段だったのでまた二人で行こうと約束した。


とはいえ、結局、諒がお金を払ってくれたのでまたご馳走になってしまったのだけれど。


「お前はもっと人に甘えることを勉強しろ。そして、人を頼るようになれ」


甘え下手なところは昔からある。三人姉妹の長女だということもあってか、我慢することにも慣れた。

そして、人に甘えたり、頼ったりするくらいなら自分がやったほうがいいという考えが強かった。

「こ、こんなときはどういう風に対応したらよかったですか?」


助手席でシートベルトを締めて、諒の返事を待つ。可愛げのある女子になりたい。模範解答が欲しい。でも、諒はフッと笑って、こう返してきた。


「わかってるだろ。お前の思う言葉を口にしてみろ」


「・・・ごちそうさまでした」


私のあざとさなんて一瞬で見破られてた。
シナリオ通りにいかないものだな。


まぁ「よくできたな」と頭を撫でられたので、良しとしよう。