「ああ。さようなら。」

ふっと笑いながら、私に手を振る。

さすがに、茉胡みたいに元気にばいばーいなんて、私にはできないので、ちょこっとだけ手を振って、部屋の扉を閉めた。



なにも変わらない澄にいと、久しぶりにちゃんと話せて、心は晴れやか、すっきりしていた。

幼馴染としてではないが、教師の澄にいに毎日会える。

それが今の私にとってはうれしい。

昨日までは、考えられなかったことだ。


好き。でも会えない。


ずっとそう思っていた相手が、文字通り目と鼻の先にいるのだから。


・・・明日から、楽しみだなあ。


にやける口元をおさえつつも、ココロおどらせながら、荷物がある教室へと向かった。