「澄にい...

 あのね。澄にい。





 ・・・ありがとう。


 たくさんたくさん。いっぱいいろんなことをくれて。



 ありがとう。」


そう笑顔で告げて、その場を立ち去った。

これが澄にいの記憶の中に残るなら。

笑顔が残ってほしかったから。



「茉依!
 

 ・・・・ごめんな!!!




 ———————ありがとう。」



その言葉に、こらえていた涙が一気にあふれた。

でも、そんなことも気にせず、ただ走った。



ギィッ—————————

屋上の扉を開けて、屋上に入った。

この時期に、屋上の風は少し冷たい。

けれど気にせず、フェンスまで歩いていく。

フェンスに寄りかかりながら空を見上げると、きれいな青空がどこまでも広がっていた。

今の私の気持ちを表しているようだった。


だって...澄にいは言ってくれた。

夢でも、さっきも。

それが、何よりの答えなきがした。

二つの答えはそれぞれ違ったけど、どっちの答えも私には十分だった。


——————大丈夫。その言葉をもらえただけで十分だよ。


ありがとう澄にい。





———————本当にさようなら。私の初恋。