『卒業証書、授与。』


『あおーげばー、とーとし。
 わがーしのー、おーん...♪』


『校長式辞』


『送辞。』


『答辞。』


『校歌、斉唱。』

最後なんだ、と思うと、今までで一番大きな声を出すことができた。

周りはみんな、泣いて歌になっていない。


私も、3年間を思い出し、涙が何度も頬を伝っていた。


1,2年の時の卒業式は、すごく長くて退屈だったのに。


『卒業生、退場。』


あっという間に、退場に。




こうして、私の卒業式は終わった。







卒業式の後のHRを終え、私は澄にいの下へ向かった。

「澄にい。」

学校だけど、かまわずそう呼んだ。

私は附田先生と、澄にいの両方と話したかったから。

私は数学職員室のさらに奥にある階段に向かった。

そこに、澄にいはたまにいる。

教室棟の廊下から、たまに見えていた。

「ん?あ、おう。卒業生。
 お疲れ様。」

私の声に反応し、澄にいが私に近づいて、頭を数回ポンポンした。



・・・・っ。


もう...なんで。


最後の最後まで、ずるいなあ。



こぼれそうになる涙をこらえながら、澄にいに笑顔を向けた。