次の日・・・


コンコン——————————

「はーい。」

「失礼します。」

ガラガラ—————————

「おー、また来たのか?」

最近、澄さんが、また前に見たいにうちをみて笑ってくれるようになった。

茉依のことを見ていることも多いけど、うちのことを見てくれることも増えた。

「先生ー、ハッピーバレンタイン!!」

ぽっけに隠し切れなかったラッピングの袋を取り出し、澄さんに渡した。

そう、今日はバレンタインデーだった。

中身はトリュフと生チョコ。

どちらも、少し苦めに作っている。

「おー、ありがとう。
 隠れてなかったじゃん!すぐわかったわ。」

澄さんはすぐ袋を開け中のトリュフを口に入れた。

「おっ!うんまっ。
 苦めに作ってくれてるんだね。」

「当たり前でしょー。レシピ50回くらいみたし。
 先生が甘いのあんま食べてるイメージないから苦いほうがいいのかなあって。」

「ありがとう。」

うちをみてふわっと笑いながらお礼を言ってくれた。


ドキンッ—————————


その姿に、うちの心臓は高鳴る。

「いいえ。」

きっと真っ赤になっていると思う。

でも、幸せな恥ずかしさだった。





そんな日々が続いていき、うちたちは、高校最後の年、最高学年の3年生に進級した。






茉胡side END