「よし、それじゃあ、今年最後のHRは終わりだ!
 それじゃあ、みなさん、よいお年を。」

『よいお年を~』

「きりーつ、れーい。」

『さようならー』

その瞬間、教室が一気ににぎやかさを増す。


”クリスマスどーする?”

”彼氏と予定入ってるー!”

”お前、クリぼっちか?”

”うっせーな!このリア充!”


クラスの話題は、あと数日後に迫ったクリスマスのことらしい。

「茉胡、かえろ。」

「あっ!ごめん!
 さっきもいったけどさ、クリスマスは会えないから、今日、すこしはなそうってことになってるんだよねー!!
 だから、一緒に帰れないや!」

「・・・そっか。行ってらっしゃい。」

「うん。ごめんね!
 じゃ。また後で!ばいばい!!」

「ばいばい。」

すごい勢いで教室を出る茉胡を手を振って見送った。

「・・・ふぅ。」

「あのさ。」

突然大きな影が近づいてきたと思ったら、佐伯くんがそう話しかけてきた。

「ん?」

「今日、一緒に帰れる?」

「ん?うん。」

「そっか、今日さ部活1時間半で終わるんだ。
 だから、教室で待っててくれる?」

「うん。ここから体育館覗いておくね。」

「おう。じゃ、待っててな。」