「だけど、俺はそのどっちの古内さんも気になったんだ。
ストーカーみたいなことをして、古内さんの受験する学校聞いて、死ぬ気で勉強して。
受かった時は、すごいうれしかった。
でも、その時俺は古内さんを見つけることはできなかった。」
「・・・・・」
「あの子は落ちちゃったのかな、ってずっと気になってた。
そんな時、球技大会でキミを見つけた。
————鳥肌が立った。うれしかった。」
「・・うん。」
どうしてだろう。
どうして私はこの続きをもっと聞きたいと思っているのだろうか。
「それから古内さんを学校で見つけるたびにうれしくなって。
気づいたら好きになっていた。憧れから好きになっていた。
だから、告白したんだ。
・・・でも、たぶんその時俺が告白したのは、”古内茉依” にじゃなくて、”俺のイメージしていた古内茉依” にだったと思う。」
・・・どういうこと?
「つまり、俺があの時告白したのは、俺の想像していた古内さんだったんだよ。
たぶん、まだ憧れていたんだ。古内さんのこと。その憧れの古内さんに告白をした。
でも、あの日友達になろうって古内さんが言ってくれて、メールをするようになって。
毎日毎日、好きが積もっていった。
何をしてても、考えていたり、もっともっと知りたいって思うようになった。
・・・って気持ち悪いな、俺。」