「・・・・・・」

あれ?

さっき佐伯くんが「あのさ...」といってから、佐伯くんは一言も発しなかった。

「あの...?」

「っあ、えっと。
 
 ・・・俺と、付き合ってくれないかな?」

「・・・っえ?」

思わずそう声が漏れてしまったのも無理はないと思う。

友達になろうといったのは自分で、告白されてからそう時間は経っていない。

でも、自分は佐伯くんにそんなそぶりを見せたつもりはなくて...

「いや、あの。なんていうか。
 うざいかもしれないんだけど聞いてくれるかな?」

佐伯くんにそう言われ、今の私にそれを断るつもりは全く起きなかった。

「うん。」

「あの...俺、前告白したとき、『初めて会った時から気になってた。』って言っただっろ?
 それ、高校入ってからじゃなくて、実はもっとずっと前のことなんだ。」

・・・ずっと前?

「中学校の新人戦の時、初めて見た古内さんはバスケでみんなをうまく動かしてて。
 女子なのに、かっこいいって思ったんだ。
 でも、笑った顔は控えめで、古内さんたちの集団の近くを通った時も、プレーの時のイメージとは全然違っていて。」

「そんな違う?」

「うん。180度違うって言ってもいいくらい。」

・・・そんなに。