「なに?」

「話がしたい。屋上にいこう。」

「・・・うん。」

お弁当をもって、屋上に向かって並んで歩いた。


・・・無言で。






ガチャッ——————

屋上の扉を開けた瞬間、風が一気に私たちの間を通り抜けた。

どちらからともなく、近くのベンチに座る。

「・・・・あのさ。
 前も言ったけど、私は附田先生とは何の関係もないから。本当に。
 だから、附田先生のことは何とも思ってないよ。」

ズキッ—————

一瞬、胸が痛んだ気がしたが、知らないふりをした。

「・・・でも、見たもん。
 茉依の字が書かれた手紙。
 澄さんの手帳に入ってた。」

・・・え?なんで?

っじゃなくて...

「それは、附田先生にプレゼントをあげたうちの誰かのものなんじゃない?
 あの日、附田先生の机には沢山のプレゼントがあったから。」

「・・・そうかなあ?
 すごい茉依の字に似てたんだよ。」

「そういう人もいる、ってことじゃない?」

また、しばらく続く無言の時間。


ドキドキドキドキ—————

自然と緊張も、胸の音も次第に大きくなっていく。


「・・・ごめん。茉依。」

そう言って、茉胡が私に抱き着いた。

茉胡のその行動、言葉に、ホッと息を吐いた。

体に相当力が入っていたことに気が付いた。