俺の隣ですやすやと眠っている茉胡。

窓に反射して、寝ている茉胡が見える。

こんなに穏やかな気持ちになったのは、久しぶりだ。

高速の上に出る緑の表示は、もうすぐ千葉に入ることを示していた。


・・・茉胡から

「茉依と、知り合いなの?」

聞かれたときは、マジで驚いた。

そして、なにも言うことができなかった。

それは、あの日。

あの言葉を聞いてしまったからだろうか。


今日のデート、本当に楽しかったし、茉胡の笑顔がみれて俺も幸せだった。うれしかった。

この年になって、前の日に山梨のどこに行けば、茉胡が喜んでくれるのかな?とか思って調べたし。

茉胡が実は文系教科のほうが得意で、歴史を選択しているから、昔っぽい場所を選んだり。

茉胡のために割いた時間は俺にとって、幸せな時間だった。



でも、どこを歩いても、何を見ても、頭から離れなくて。

物を手に取れば、こういうの好きかな?とか、きれいな景色を見れば。ここを一緒に歩きたいな。とか、思ってしまって。

俺がは、無意識に考えているんだということを改めて気づかされた気がした。

だから、茉胡のためにポーチも買ったし、茉胡、茉胡って何度も口に出した。



...なんなんだよ、これ。

...何なんだよ、俺。






澄side END