「そのたんびに、澄さんがすごく大人だと感じるんだよね...
 いや、あたりまえなんだよ!それはね、もちろん。
 年も全然違うし。だけど、そう思えば思うほど、早く追いつきたい!って思う。」

「・・・うん。わかる」

「・・・え?!
 あれ、茉依もしかして。」

「・・・ような気がする。」

「えええええええ!!いつの間に」

「ちがう、わかるような気がする、ってだけ。」

「・・・ほんとうに?」

一瞬、またさっきのようなさみしそうな表情になったから、思わず聞き返した。

「・・・・・・」

「茉依、年上の好きな人、できたの?」

「・・・・・・」

年上... 好きな人...

ん・・・?

あ...!!

「茉依、そういえば中学校の時、年上の幼馴染がいるって言ってなかったっけ?」

「・・・・!」

そう、茉依には幼馴染がいたはず。

数学が得意な、結構年上の。

中学校の時、一度聞いた気がするから。

「・・・・・うん。」

しばらく黙っていたけれど、観念したように、茉依がうなずいた。

「・・・! ってことは...」

「・・・そう、だね。
 幼馴染のこと、うん。好きだよ。」

好きだよ、って言っているのに、茉依の表情はとても悲しそう。