「待ったかな?...佐伯くん。」
「あ、ううん。
俺、今日は部休で、時間はたくさんあるから大丈夫。」
「あ、そっか。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「えっとさ、その、こんなところに呼び出した理由なんだけどさ・・・」
ドキドキドキドキ———————
ずっと遠くからプレーを見ていた佐伯くんとまさかこんな近くで話ができる日が来るとは。
それに、こんなところで私なんかと2人で話したいことがあるなんて...
何を言われるんだろう、と私の心臓はドキドキしていた。
「俺、古内さんのことが、
・・・・・好きなんだ。」
「・・・え?」
予想外の言葉に、私の思考が止まってしまう。
・・・え、今佐伯くん、私のことが好きって言った?
「あ、ええと、いや、困らせたくて言ったんじゃないんだ。」
佐伯くんの言葉に、私はよっぽど困った顔をしていたのだろう。
取りつくろうように、言葉を続けた。
これが茉胡に言っている言葉なら私も納得できる。
でも、全然男子と話さないような私が、モテている佐伯くんに告白される理由なんて、ないと思う。
「そうじゃなくて。...ただ、伝えたくなって。
自己満足、っていうのはわかってるんだけど。
初めて見た時から、徐々に気になりだして。
気づいたら好きになってたんだ。」