・・・嘘だろ。

茉依が俺のこと、好き?

・・・そんなこと今まで全然気づかなかった。
今までそんなそぶりもなかったのに。

...なんだよそれ、わけわかんない。

けれど、一番訳が分からないのは、そんな茉依にドキドキしている俺。

喜んでしまっている俺。

うれしい、と胸がときめいてしまっている俺。

何やってんだよ、マジで俺は。


茉依が起きないのを確認してから、茉依の氷枕を変えた。

それから、おばさんに置手紙をして、スペアキーで鍵をしめてそれを郵便受けにいれて古内家を後にした。



おばさんに置手紙を残した時、俺が使ったのは、茉胡が俺の誕生日くれた、お気に入りのメモ帳だった。




「はぁ。」

あの日を思い出して、またため息をついてしまう。

俺は、あの日から、おかしい。

授業中、茉依のことが気になってチラッと見ることが増えた。
それは、茉胡の時はなかったことで。

そんな自分が、自分で分からなくなってきていた。

茉胡のことはもちろん大事だし、大切にしたいと思っている。

今も好きだし、むしろ付き合った時よりも今のほうがずっと大好きだ。


電話したときのうれしそうな声、かわいいメールの文面。

俺を気遣ってくれる、やさしさ。

テストの時は、わざと茉胡から連絡を絶つ、けじめ。


愛おしく感じているのは、事実。