・・・茉胡の澄にいを見ているときの横顔を見た瞬間、私は目を逸らしてしまった。


茉胡が澄にいを見ているときの目が、あまりにやさしくて、きれいで。

茉胡の瞳に映る澄にいの姿は...

そう考えるだけで、胸が締め付けられた。


——————悲しかった。


それでも、私にとって一番大切な親友。
大好きな澄にい。

2人を裏切ることなんて、私には出来ない。

私が心の中で涙してることなんて、誰も気づかない。

それでいい。それでいい。・・・それでいい。

私がこんなこと思っていたことも、いつかどうせ、忘れてしまう。


・・・・・そのまま。そのまま澄にいへの想いが消えてなくなっちゃえばいいのに。
忘れてしまえれば、ずっと、ずーっと楽なのに。


でも私には、それはできない。

できないとわかっているから、余計に...



自分では何もできないまま、二人を見るのは辛かった。
私が二人を幸せにした。そして二人は幸せそうだ。

それは、すごくうれしいことなのに。

それでもそれでも、私の心の涙が、止まることはなかった。





それから月日は流れ、いつの間にか1年生が終わる時期になっていた。

「えー、本日で今年度の学校は終わりとなります。
 1年間、お疲れさまでした。
 これから皆さんは・・・」



—————私たちは今日、1年生を卒業します。