「はあああああ!?」

『うるせーよ!!そんな耳元で大声出すな。普段静かなくせに。」

いやいや、叫ばずにはいられねーだろ。

駅から家に向かって歩く途中、急にかかってきた澄からの電話をとってみれば、第一声が「生徒と付き合うことにした」だったら。

でも、前飲んだ時は、「生徒と付き合うのはあり得ねえ」って言ってなかったっけ?

「だって、生徒と付き合うことにした、って・・・。」

『茉依が、後押ししてくれたんだ。』

「・・・茉依が?」

突然出てきた茉依の名前に、俺の中のスイッチが入った。

『そう。ほら、前言っただろ、誕生日プレゼントくれた子の話。
 その子、なんだよね。付き合うことにした子。
 茉依が、その子と仲良くて。
 グダグダ悩んでた俺に喝入れてくれたんだ。
 おかげで、覚悟も決まって、俺も気持ちに素直になろうって決めた。』

「・・・茉依と仲いい子?
 ってもしかして、茉胡ちゃん?」

『え、茉胡のこと知ってんの?』

知ってるも何も・・・

「中学校の時から、茉依と仲良くしてくれて、バスケでは茉依の相方みたいな子だった子だよ。
 何回かうちに遊びに来たこともあるし、茉依も茉胡ちゃんとよく遊んだり、茉胡ちゃんちにお邪魔したりしてるし...」