キミの隣、笑顔のあなた




「確かに、俺はうれしかった。
 自慢じゃないけど、枩谷以外にも、俺は告白されたことがある。
 枩谷に告白されたとき、その時と大して変わらなかったんだ。
 でも、誕生日プレゼントもらったとき、『すごくうれしい』と思ってしまったんだ。
 『ああ、俺のために、自分の時間を割いてこれを選んでくれたんだ。』って。
 悩んでいる姿を思い浮かべると、自然と笑みが浮かんだ。
 その時に、『俺は枩谷のこと好きになりかけてるのかもしれない』っていう自分に気づいた。」

「・・・・」

「でもな、そんな簡単じゃない。
 あくまで、俺は先生で、枩谷は生徒だ。
 俺の自分勝手な感情で、枩谷を振り回す訳にはいかない。
 だから、必死に抑えてきたんだ。好きになっちゃいけない。って。
 それなのに、茉依と話して、やっぱりだめだって思った。好きだって。
 でも、でもそれでも、俺は枩谷のために諦めなきゃいけないんだ。」 

「茉胡も、澄にいも同じ気持ちなのに?
 その気持ちに素直になることは、悪いことじゃないよ。
 どうして閉じこもるの?どうしてつたえ・・・っ」

私は最後まで言葉を続けることができなかった。

目の前にいるのは、澄にいではなくて、一つの恋に悩んでいる、一人の男性だった。

今まで見たことのない澄にいのその姿に、ひどく胸を締め付けられた。