澄にいの表情が、今まで見たことのないくらい穏やかで。
今まで見たことのないくらい、とてもきれいだった。
———————その表情が、私だけに向けられるものだったら...。
でも、澄にいの視線は、私には向いていなかった。
私の横、まるで澄にいには茉胡が見えているかのように。
いつも私の隣にいるここにはいない茉胡を見て、穏やかに微笑んでいた。
「・・・・・澄にいは、文化祭のジンクス知ってる?」
そんな表情は見たくなくて、話しかけてしまった。
「ジンクス?...あ、ああ。なんとなく、聞いたことはあるかも。」
「...そっか。でも、あのね!
茉胡は、澄にいを本気で好きなんだよ。
本気の恋をしているんだよ。
それに応えることは、間違ってることじゃないと思う。
澄にいが好きになってしまっても、それをとがめる権利は誰にもないと思うよ。」
「茉依さ、先週俺に聞いただろ?
『先生と生徒じゃなかったら、告白OKしてたか?』って。」
「・・・うん。」
「それは考えられないんだ。
俺は、先生として、枩谷にあった。生徒として、枩谷とかかわってきた。
どうしても、生徒っていうフィルターを通して枩谷を見てしまう。」
「・・・・・」
「それから、茉依はこうも言った。
『私はいいと思うけど』って。」
「・・・・・うん。」

