キミの隣、笑顔のあなた





時々、女子の黄色い声が聞こえる。

一通り言い終えた澄にいは、歌の準備に入るために一瞬マイクから手を離して準備をし始めた。


「————っ!」


気づいてしまった。

その瞬間、澄にいの目が、茉胡の姿を捕らえたことに。

一瞬。ほんの一瞬だった。

澄にいは昔から上手な歌を生徒の前で披露している。

茉胡は隣で顔を真っ赤にしながら、澄にいの歌声に聞き入っている。





・・・なんだ。もう、決まってるじゃん。


澄にいは、茉胡に恋をしている。

茉胡のことが好きなんだ。


そう、確信した。



「・・・・ありがとうございましたー!!!!」

2曲、無事に披露し終わった先生方が一列に並んでお辞儀をしている。

「ね、ねえ、ねえええ!!!やっばい、超かっこいい。」

茉胡が興奮しながら、バシバシ私の腕を叩いている。

「うん。
 ・・・ねえ、茉胡。文化祭で附田先生に告白しないの?」

ステージ上では、司会の人が先生方にいろいろ質問をしていた。

「・・・・・・・」

「いいの?取られちゃうかもよ。
 さっきの演奏、超かっこよかったでしょ。
 あれで、とお…附田先生のファンもまた増えたよ。
 気持ち、伝えなくていいの?後夜祭のジンクス、やってみたら?」