キミの隣、笑顔のあなた




「・・・え、ちょっと待って。」

茉胡のその声ではっと我に返った。

「え、茉依、あれ、やばくない?」

「・・・うん。」

曖昧にしか、返事を返せなかった。

———私も、澄にいに見惚れてしまっていたから。

やばい、あの澄にい。

いつものスーツじゃなくて、ジーンズにTシャツというラフな格好なのに、ギターを抱えて真ん中のマイクスタンドに立つ姿は、本当に

「かっこいい・・・!」

「えっ!?」

「えっ。どうした?茉依。」

「今の、茉胡の声?」

「え、何が?」

「かっこいいってやつ。」

「あ、うん。」

顔を赤らめながら言う茉胡にほっと安心をする。

私の心の声が漏れてしまったのかと思ったから。

「え、そんなうちの声大きかった?」

「あ、いや、そんなことないよ。」

「よかった~。
 かっこいい。本当にかっこいい。」

一目ぼれしたときは、一言も発することができないくらい固まっていた茉胡も、今ではすこし余裕があるみたい。

「そうだね。」

本気に聞こえないように、なるべく軽く返事をする。

「んね!やばい!」

「・・・・・です!!
 えー、ということで、2曲続けて披露したいと思います。
 聞いてください。」

私たちが話している間に澄にいが少し話していたらしい。