あまりにもあっさり受け取ってもらえたので不思議に思って少し周りを見渡すと、先生の机の上にはラッピングされた大量の箱がおいてあった。


・・・ほかの子たちもあげたんだ。


少しだけ。ほんの少しだけ、うちからのだから受け取ってもらえたと期待したさっきの自分を殴りたい。

そんなわけない。当たり前だ!当たり前だろう!

「中、見てもいい?」

「えっ!あ、どーぞどーぞ。」

うちの返事を聞くなり、丁寧にラッピングをはがしていく先生。

先生のきれいな指が、うちのあげたプレゼントを開けているというのだけで、なんだか少しドキドキしてしまった。


きれいな指だなあ。


毎日授業で黒板に書いている姿を見ても思っているが、こう近くで見ると改めて思ってしまう。

「おお!ボールぺン!メモ帳!!」

目を輝かせている附田先生の様子を見て、うちはほっと心の中で大きく息を吐いた。

「いやー!ちょうどほしかったんだよ!マジで!」

お世辞で言ってくれているのかわからないけど、そう言ってもらえるとあげてよかったと思うから、うれしくなる。

「いえ、そんな。」

「ありがとな、枩谷。」

附田先生は、うちをまっすぐに見ながらニコッと笑ってお礼を言った。