帰ってきた時、手には何も持っていなかったから、ちゃんと受け取ってもらえたんだと思い、ほっとしたような気持ちになった。

チラッと茉胡の様子を見ると、わたしの方を向いて、穏やかな笑みを浮かべていたから、なんとなく私の心も落ち着いた。

「・・・うん。そっか。よかった。」

「うん!ありがとう。本当に。」

「いいえ。」

「お礼に、おごってやる!!」

そう言って茉胡が指さしたところには、女神のマークのコーヒー屋があった。