「ごめん、前田くん。席借りるよ。」

私の前の席の前田くんの椅子に茉胡は毎日宣言をしてから座る。

前田くんは既に食堂に走っているからいないけど。

「あ、そう言えばさ。附田先生、10月20日が誕生日だよ。
 茉胡、なんかあげたら?」

「・・・うぇ!?マジで?!」

「うん。」


おとといの帰り道、茉胡から告白したときの様子を聞いてみた。

帰ったら、お兄ちゃんもいて、今日澄にいと飲んだって言ってた。
その時、澄にいがある生徒に告白されて、なにやら思いつめてた、とも。


それで1つわかったことがある。

茉胡とお兄ちゃんの2人からそれを聞いて、すごく悲しいし、辛いけど。



澄にいは、もしかしたら茉胡のことが気になっているのかもしれない。


そう思った。