真心を あなたに






オープンの時間になり、客が入る。


カンナが来ていないとわかった客の中には、帰る者もいた。


マスターの合図により、空鶴はホール接客から一旦身を引く。


そしてそのまま、楽屋に入り、衣装に着替えた。


カンナのような華やかさはなくとも、ホールの制服よりは映える。


そのまま、舞台に上がり、照明を浴びながら、
グランドピアノの前に座った。


5拍子、スウィング。

変拍子のジャズ。


ヴァリエーションを加えながら、

元のテーマを壮大にして弾いていく。


指は回る。助かった。


そのまま、別の曲に入り、緩やかな なBGMを演出する。


「かっこいい…!」

「もしかして、Azじゃねぇか」

「あぁ、あの…」

「まさか」


客の声がきこえだす。