「どうしたの?なんか元気なくない?目、赤いしさ」
木田くんはあたしを心配してくれた。
目が赤いのは、泣きたいからだよ。
けど泣けないの、今は。
「何でもないよ!ありがとう。心配してくれて」
優くんは人間の素直さに気づいていたよね。
あたし知らなかったの。
この時、優くんがあたしを心配して追いかけてきていたのを。
いつも優くんは心配をしてくれるよね。
気持ちの変化、あの夏祭りの日。
一番近くにいたのは優くんだった。
あたしを全て受け入れてくれたのは優くん。
ごめんね。
あたし不器用だったよね…。
木田くんと少し話し、チャイムが鳴る前に教室に戻った。
少しだけ気持ちが楽になる。
でも気になってしまう。
優くんは相沢さんにメールをするだろうか?
一度縮まった距離が離れてしまい、再び戻そうとすると倍の時間がかかる。
あたしたちの恋が始まったのは、まだまだ先だった。
ほら、また。
桜の花びらが地上で息を引き取る。
恋に疲れたかのように。


