どうして…
あたしも優くんとの距離を縮めたいのに…。
醜い感情が溢れ出す。
醜い感情は、ヤキモチだ。
あたしだけを見て欲しい。
他の人なんて見ないで。
あたしとメールしてよ…。
唇をぎゅっと噛みしめて、涙をぐっと堪える。
涙を流したら負けだと思ったからだ。
あたしはまだ泣かない。
「小林…さん?」
すると後ろから声が聞こえてきた。
初めまして聞く声。
可愛らしい声だ。
あたしはゆっくりと後ろを振り返る。
そこには仔犬のように、目を丸くして、頬をピンク色に染める男の子が立っていた。
この人は誰?
「俺!昨日メール送った木田和樹!覚えてる?」
今度は仔犬が尻尾を振るように、嬉しそうにこちらに向かってきた。
「あ、あなたが木田くん?初めまして」
人間はどうしてこんなにも素直なのかな。
好きな人の前では頬をピンクに染まって…
優くんは知っていた?


