空の上から愛してる



沙紀に笑顔を見せて、こう言い、トイレへと向かった。



リセットしたい。
自分にリセットがしたい。


蛇口を捻り、水を出す。冷たい水が排水口へと流れていく。


隣では鏡を見てグロスを塗っている人がいた。
背が高く、艶やかな黒髪。
とても綺麗な人だ。
スリッパの色はあたしと同じ学年色カラー。


こんな綺麗な人学年にいたんだ…。


あたしはこの人みたいな人に憧れを抱いていた。
すらっと背が高くて、綺麗で、自分に自信があって。
優くんの隣に並んだら、お似合いだと周りから言われるだろう。


それに比べてあたしなんか背は低いし、化粧も下手だし、自分に自信なんかない。



優くんはどんな人が好み?
あたしはそれになれるように努力するから、教えて?



隣の彼女は手に何かを持って、トイレを出て行った。

「はぁ…」とトイレの中があたしのため息で埋まっていく。



この恋は、叶わぬ恋なのだろうか。