空の上から愛してる



一時間目の休み時間。
真実が知りたいあたしは、勇気を出して、優くんに話しかけた。
またさっきみたいな態度を取られるかもしれないけど、聞かないよりはマシだ。



「鈴木くん」



「何?」



「昨日、木田和樹っていう子からメール来たんだけど…知ってる子?」



知らないって言って?
あたしは簡単に騙されるから。
あなたの口から崩れ落ちるような言葉は聞きたくないよ。



「うん、俺のダチ…実はそいつから頼まれたんだ。ごめん」



申し訳なさそうな表情を見せる優くん。
そんな表情を見たら、これ以上なにも言えなかった。
いい女を演じることしか出来ない。



崩れ落ちていく気持ちを抑え込みながら、言葉を返していく。



「いいよ、いいよ!でも鈴木くんからじゃなくてショックだったな」




気づいて、あたしの気持ち。


これがあたしが出来る、精一杯のサインだった。