何も変わらない学校。
まだ慣れない学校。
あなたのいる学校。
学校がこんなにも特別な場所になるなんて、思ってもいなかったよ。
1年2組に向かう。
優くんはいるだろうか?
教室の外から、ちらりと中を見てみる。
あたしの席の隣は優くん。
その周りに、斉藤くんと沙紀がいた。
仲良く何かを喋っているよう。
あたしも仲間に入れて…。
その思いが強くなったのか、あたしは足早に教室の中に入って行った。
演技、しなくちゃ。
「おはよー」
わざとテンションを上げて挨拶をしてみる。
どうか、誰も疑いませんように。
「百合、おはよ」
沙紀が笑顔で迎えてくる。
「沙紀、斉藤くん、鈴木くん、おはよ」
「おはようさん」
斉藤くんがあたしに笑顔を向ける。
あなたの笑顔が見たいよ。
「……おはよ」


