それを知ることになるまで、数時間だった。
目の前には、学校へ続く道が続いている。
清秀高校の生徒たちが立ち止まるあたしの横を通っていく。
一歩が進めないあたし。優くんとどんな顔で会えばいいの?
あたしは優くんからのメールを楽しみにしていたけど、メールが来たのは木田くんから。
平然としていられないよ。
あたしの中には固まった思いがあるのだから。
胸に手を当てて、感じてみる。
自分の気持ちの温かさを。
どくん、と今はゆっくりとしたペースで鳴っているが、優くんと会った途端、どくん…どくん…と速くなるに違いない。
これって好きっていう気持ちだよね?
間違ってないよね?
自分の気持ちを再確認し、足を動かした。
早くあなたに会いたい。
自然にしよう。
不自然にしていると沙紀たちに不思議に思われるから。
演技、出来るかな。
こう思いながら、教室に向かって行った。


