朝、あたしはお父さんの運転する車で空港に向かった。
昨日電話で優くんは見送りに来てくれると言ってくれた。
斉藤くんと沙紀も来てくれるらしい。
良かった、最後にみんなの顔が見られそうで。
車の中で仲良く会話するお父さんとお母さん。
あたしにもこんな日が来るだろうか、と疑問に思った。
あたしね、引き出しにあるものを置いてきたの。それはハート型のアルバム。
作り終えたアルバムと、もう一つの手紙。
その封筒の中には、優くんとのツーショット写真が入っている。
その写真の裏に、最後の我が儘を書いた。
『もし、あたしがいなくなったら、この写真を使ってください』と。
この写真のあたしがすごくいい笑顔だから。
ごめんね、お父さん、お母さん。
我が儘な娘で本当にごめんなさい…。
「お父さん、お母さん…」
「ん?なに?百合」
「どうした?忘れ物か?」
蒼い空を見上げる。
この空の色は優くんと出逢ったときの空の色に似ていた。
「あたし…生まれてきて良かった…」


