ここで泣いてしまったら、別れのときが辛いから。
辛さを愛しさに変えてしまいたい。
それくらいできる。
この辛さを、優くんを想う愛しさに…。
優くんから視線をずらし、星空に移す。
離ればなれになっても、あたしの気持ちは絶対に変わらない。
あたしは、あなたが好き。
鈴木百合になりたいもの。
だから絶対優くんのもとに帰ってくる…
そう…信じていたのに…。
「百合…そろそろ帰ろっか…」
「うん…」
あたしたちはこの場所から去って行った。
月に背中を向けて歩いていく。
この時、月が泣きそうな表情だったなんて、知るはずもない…。
お互い手を強く握り、静かな時間を過ごす。
あたし、知ってたよ。
優くんがいつもより少しだけ歩幅を小さくしていたこと。
あたしも優くんと少しでも長くいたかったの。
これって以心伝心っていうよね?
駅に着き、優くんが優しく微笑みかける。
月明かりの彼はかっこよさが増していた。


