「分かりました!」
片付けていたカバンを机に置いて、先生のあとを追っていく。
でもその前に優くんに言わなくちゃ。
廊下にいた優くんに近づき、こう言った。
「優くんー!あたし、今先生に呼ばれたから、行ってくるね」
「じゃあ俺教室で待ってるな」
「はーい!」
そう言って、元気に手を振り優くんに背中を向ける。
背中を向けた途端、笑顔が消えていくのが自分でも分かった。
きっと優くんはあたしの背中を見て応援してくれているはず。
自分の我が儘な夢に、背中を押してくれている。だから、『悲しい』『やっぱり行かない』なんて口が裂けても言えない。
そんな簡単に諦められるほど、弱い夢じゃない。
先生が向かった先は、校長室だった。
トントンとノックをし、校長先生の返事を聞いてから中に入る。
その中は、ひんやりと冷たい空気で溢れていた。


