寂しいあたしにキスをプレゼントしてくれた。
驚きを隠せない。
そして優くんはドアが閉まる前に、あたしを電車の中へと押し込む。
まだ何が起こったのか分からなくて、触れられた唇がただ熱い。
発車する電車。
少しずつ優くんが離れていく。
手を振る優くんにあたしは応える。
見えなくなるまで、ドアから離れなかった。
誰かに見られていたかもしれない。
でも見られても恥ずかしくはなかった。
少しでも多くの人たちに、あたしと優くんを覚えていて欲しかったから。
指先で唇を軽く触れる。久しぶりのキス。
キスをする度にこんなに熱くなったかな。
もう一回したいな。
明日、またキスできるかな?
そんな楽しみを抱えて家に着く。
そして優くんのメールを待った。
クマの人形を抱きながら、ベッドに寝転ぶ。
「夢…じゃないよね?」
花柄の壁紙を見つめながら、呟く。
もしこれが夢ならば、ずっと醒めないで。


