運命を信じていますか?あたしがこう聞いたのを覚えてる?
優くんは『分からない』と軽く流したけれど、あたしはあると思う。
きっと、赤い糸も。
あたしの小指に結ばれている赤い糸の先にはあなたがいるのよ。
きっと、きっとよ…。
駅に着くまでの間、あたしたちは空白だった一年以上を埋めるかのように話し続ける。
「百合、これ取った方がいいかな?」
すると優くんはあたしに携帯を見せてきた。
ぷらぷらと揺れる綺麗な貝殻のストラップ。
「え、どういうこと?」
「これ…ナナとのお揃いのストラップなんだ」
その言葉を聞いたあたしは言葉を詰まらせてしまう。
なんて言ったらいいのかな…。
取ってくれるのなら取って欲しいよ。
でもね、広瀬さんのことは忘れないで欲しい。
これって我が儘かな?
「付けていてもいいよ。大事なものでしょ?」
あたしは広瀬さんとの想い出までも忘れて欲しいなんて思うほど、酷い女にはなりたくない。


