…四月中旬。
あの保健室以来、優くんと目を合わせることはなかった。
話すことも、すれ違うことも。
ただ一緒の空間にいられる時間は、教室だけだった。
優くんの態度が、あたしを悲しくさせる。
避けられているんだ、きっと。
あたしの存在を忘れたいからそうしているのだろう。
悲しくて、儚くて。
あたしは限界だった。
だから、助けを求めたの。
斉藤くん、ごめんね。
でも斉藤くんに相談して本当に良かったと思っているよ…。
学校が終わり、静かになっていく教室。
優くんの姿は当然ない。一番早く教室からいなくなるからだ。
溜め息をついて、光を探す。
でも何回溜め息を漏らしても光は見つからない。
目の前では沙紀と斉藤くんが何かを話していた。謝る沙紀。許す斉藤くん。
バランスが摂れているのね。
二人の姿が、二年前の優くんとあたしと被る。
もう一度、あの頃に戻りたい…。


